グラン・トリノ

Film:© 2009 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
ウォルト・コワルスキーは偏屈で頑固な老人。今日は長年連れ添った妻の葬儀。そこでも彼は孫たちの悪態にキレて、葬儀をつかさどった神父にまで暴言を吐いた。彼の二人の息子も手を焼いている。ウォルトの隣の家にはアジアのモン族の家族が住んでいた。この家の息子のタオはおとなしい性格だが、従弟のスパイダーがいるギャング団からの誘いには抵抗していた。しかし、スパイダーの命令で、タオはウォルトの宝物のビンテージカー、グラン・トリノを盗みに入る。ウォルトに銃を向けられその場を逃げ去ったタオに焼きを入れにやってきたスパイダーたちに、ウォルトは銃を向けた。彼らがウォルトの芝生に入った事に対して怒りをぶつけたウォルトだったが、結果的にはタオを救うことになったのだ。これがきっかけになりウォルトは隣家の異国のファミリーと親交を深めていくが・・
クリント・イーストウッドの中に真の男を見た。アメリカ人だけど侍のようなスピリットを持ったウォルトは、最初はどうしようもないほどの偏屈なジジイだったのですが、徐々に彼の中に封じ込めていた『優しさ』が湧き出してくる。そして余命わずかなジジイがとんでもない賭けに出る・・。その衝撃たるや・・・、涙が止まりませんでした。とにかくカッコ良すぎます。また、この映画ではアメリカの家族の在り方も鋭い切り口で突いてきます。しかし、クリント・イーストウッドは「硫黄島」で日本人を取り上げ、今度はアジア系の移民を取り上げ、まさに無国籍監督??出演者はモン族のタオ、そしてその姉のアーニー・ハーは全くの新人。その他にもビッグネームの俳優はいません。今まで数々のクリント・イーストウッドの映画を観てきましたが、私の中ではこの映画がNo.1です。最高でした・・・。