メゾン・ド・ヒミコ
塗装会社の事務員として働く沙織は、ある事情から借金を抱えていて、仕事の合間に風俗のアルバイトの募集を読んだりしている。そんなある日、彼女の元に晴彦という美しい男がやってくる。彼は沙織の父親の恋人だった。沙織の父は彼女と母親を捨ててゲイになったのだ。晴彦は沙織に彼女の父「卑弥呼」が作ったゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の雑用のバイトをするよう依頼しに来たのだ。実は「卑弥呼」は末期ガンで余命幾許もないのだ。破格のバイト料と遺産をチラつかされた沙織は恐る恐る「メゾン・ド・ヒミコ」を訪ねた。個性的な住人たちに最初は嫌悪感を抱いていた沙織だったが、次第に彼らと打ち解けていく・・・。
沙織に会いたい ピキピキピッキー!・・柴咲コウというのは本当に不思議な女優だと思う。私個人は、普段の彼女にはちっとも魅力を感じないのですが、スクリーンの彼女の放つオーラはすごい。デビュー作の「GO」から、彼女は本当に魅力的だった。そして今回の「メゾン・ド・ヒミコ」はそんな彼女の真骨頂。あの大きな瞳に不安をいっぱい抱えた女性を好演。晴彦を演じるオダギリジョーも良い感じなのですが、今回は完全に脇役。(クレジットでは彼の名前が一番ですが・・)そして超個性的なゲイの皆さんがめちゃめちゃ楽しくて、時には切なくて、素晴らしいです。特に「卑弥呼」を演じる田中泯と「ルビー」を演じる歌澤寅右衛門の演技(もしかして地なのかも?)は素晴らしかった。犬童一心監督は”リアルなんだけど、ちょっとファンタスティックな”、そして”悲しいのだけれど、ふっと笑顔になれそうな”演出が素晴らしい。そして映像の美しさにも注目です。因みに私はディスコで尾崎紀世彦の『また逢う日まで』にあわせて踊るシーンが大好きです!!