舟を編む
© 2023 「舟を編む」製作委員会
大手書店の玄武書房の別館には“辞書”を作成する部署があった。本館の人たちはこの部署のことを知らない人もいる。この部署の舵取りをしている松本は危機を感じていた。長年彼の片腕として活躍してきた荒木が、妻の介護のために退職する事になったのだ。後釜をさがしていた松本は営業部で“変人”と呼ばれている真締(まじめ)に目をつける。彼は人付き合いが下手で、言葉にするのは苦手だが日本語に対する人並み外れたセンスを持っていた。そして真締はめでたく?辞書部に異動となった。彼が移るとすぐに新しい辞書「大渡海」の制作が決まる。しかし、真締はそこでの仕事に自らのアイデンティティーを見出し、仕事に没頭していく・・・。
“右”を語釈してください・・・三浦しおんの原作は「本屋大賞」に選ばれたベストセラー。しかし、原作を読まなくて正解!まずは「辞書作り」という特殊(?)な世界を垣間見て、目からウロコが落ちました。日頃から使っている辞書がこんなふうに作られていたとは!そして最初にも書いた「右とはどういうことですか?」という質問も斬新。まあ、ここまでは原作の力です。しかし、映画の方もすごく良くできていました。辞書作りのたいへんさはもちろん、ちょっと変わった真締くんのキャラと彼を取り巻く人々がユーモアたっぷりに描かれていています。主演の真締を演じるのは松田龍平。この役は彼に合っていましたね。香具矢役は宮崎あおい。そして個人的にすごく良かったのが、真締の先輩役のオダギリジョー。その他、加藤剛、小林薫、池脇千鶴、鶴見辰吾などが脇を固めます。監督は石井裕也。