とらわれて夏
© MMXIII Paramount Pictures Corporation and Frank’s Pie Company LLC. All rights Reserved.
1987年の夏の終わり、13歳のヘンリーは引きこもりの母親アデルとふたり暮らし。再婚した父からは一緒に住もうと言われているが、彼はアデルを守る事を決めた。レイバーデイを間近に控え、ふたりは月に一回の買い物に出かけた。そこでヘンリーは傷を負った見知らぬ男に助けを求められた。男の名はフランク。彼は脱獄囚だった。彼は盲腸の手術の直後に、窓から飛び降りたため傷口が開き出血していたのだ。傷が治るまで居させてくれれば危害は加えないと言う。フランクは約束通りふたりには紳士的に、そして静かに接した。次第にふたりとの距離を縮めて行くフランク。そしてアデルはフランクの優しさに触れて強く惹かれ始めていた・・
心に沁みる映画でした。物語の設定は特に奇を狙った物ではなく、とてもシンプル。しかし、そのシンプルさの中に深い味わいと感動を閉じ込めている。勢いで描くのではなくじっくりと、しっかりと描かれた映画です。それだけに演じる側も演出する側も難しい作品なのですが、完璧なキャストがそれを更なる高みへと誘うのです。アデル役はオスカー女優のケイト・ウィンスレット。片田舎の地味な主婦なのですが、彼女はあるトラウマを抱えています。大人の色気がプンプン漂う主婦を好演。フランク役はジョシュ・ブローリン。彼も事故で恋人を殺してしまった過去を持っている。過去に大きな喪失をしたふたりの男女が、人生を一瞬にして取り戻すような恋に落ちるのです。あ~、なんてロマンチックなんでしょう。このふたりのハーモニーが完璧です!監督は今やハリウッド映画をけん引するジェイソン・ライトマン。