天空の蜂

Film:© 2015「天空の蜂」製作委員会
1995年。防衛庁に納品される最新型のヘリコプターのお披露目が迫っていた。このヘリコプターの開発をしていた湯原は妻と息子を招待していたが、ここ数年ヘリコプターの開発のために家族を顧みなかったため、妻とは深い溝ができていた。そんな時、誰もいないはずのヘリコプターが突如動き始める。しかも、ヘリコプターの中には湯原の息子の高彦が偶然乗り合わせていた。無人のまま飛び立ったヘリコプターは、稼働中の高速増殖炉の上でホバリングを始めた。その直後、「天空の蜂」と名乗る犯人から要求が出される。日本全国の原子炉を止めないと、ヘリコプターを原子炉に落とすというのだ。しかし、犯人側も子供が乗り合わせていたことは不測の事態だった。湯原はこの原子炉の設計者でありかつての友人でもあった三島と共に、高彦の救出を、そして事件の解決方法を探るが・・
原作はミステリー作家として不動の地位を築いた東野圭吾。本はもうかなり前に読んだ。この人はミステリーだけじゃなくてこんなアクションも書けるんだ!と感心したのを覚えています。出版時の特撮技術では、到底作れなかった作品ですが公開時は日本のCG技術も上がってきていてようやく完成に漕ぎつけたという作品。ハラハラドキドキのサスペンスシーンも良いのですが、この事件の裏に隠されたドラマが私は好き。この事件の黒幕がなぜ、こんな事をしようと思ったのか?原発については色々な考えがあると思いますが、まさにこんな事が起きうるかもしれません??その辺りの描き方はまさに東野圭吾。湯原役の江口洋介、三島役の本木雅弘が良いです。そして実行犯役の綾野剛、事件に関わる女役の仲間由紀恵が印象的でした。その他、柄本明、國村隼、手塚とおる、石橋蓮司などなど。監督は堤幸彦。この監督もオールマイティですね。