コーラス
世界的な指揮者のモランジュは、母親の葬儀のために久しぶりに帰郷した。そこで彼は寄宿舎にいた頃の友人と再会を果たした。そして二人は「池の底」と言う名の問題児ばかりが集まっていた寄宿舎で出会った音楽の教師マチューの話に辿りついた。当時、モランジュは寄宿舎でも屈指の問題児だった。そこに舎監としてマチューが赴任してきたのだ。なんでも力で生徒を押さえつけよとする校長の教育方針に疑問を抱いたマチューは生徒たちに合唱を教えてコミュニケーションを図ろうとする。中でもモランジュの美しい声はマチューをも魅了し、彼はめきめきと上達。しかし、校長はある日突然コーラスの授業を中止するようマチューに言い渡す・・・。
彼は特別なパートを歌います・・・・問題児が音楽を通じて教師と心を通わす。意外とありきたりな題材なのですが、私の心にすごく響いたのは「音楽そのもの」が持つ不思議な魅力とその強さです。特にジャン=バティスト・モニエ少年の歌声の美しさは、極上の幸せを感じさせてくれます。前評判で「ディーバも涙する歌声」と言われていましたが、本当に私も彼の歌声に震え、涙を流してしまいました。そして少年たちは今まで見失っていた情熱のやり場を「コーラス」に見出していく。90分間の短い作品ですが、そんな表現の仕方がとても上手いと思いました。マチュー先生を演じるのはジェラール・ジュニョ。笑いも涙も両方紡ぎだす彼の演技は素晴らしかった。モニエ少年役は歌声だけでなく、容姿も美しいまさに天使のような少年。そして現在のモランジュを演じるのはジャック・ペラン。彼はこの映画の製作も兼ねています。監督はこの映画が長編デビューになるクリストフ・バラティエ。