母べぇ
(C)2007「母べえ」製作委員会
昭和15年。野上家は貧しいながらも笑いの絶えない家族。しかし、ある夜、ドイツ文学者である父の滋が治安維持法違反で検挙されてしまう。反戦を唱えたというのが理由だ。残された妻の佳代、娘の初子、照美は悲しみにくれていたが、そこに滋の教え子である山崎がやってくる。彼は面会申請の手続きを事細かに調べあげてきたのだ。彼のなんとも言えない柔らかな雰囲気は3人に笑顔を取り戻した。足蹴に通いつめやっと思いで滋との面接の機会を得た佳代。しかし、滋はやつれ果てていた。滋がいつ戻るか分からないので佳代は教員として働き始める。警察官であった佳代の父親、型破りな神戸の叔父、そしていつも家族に力を貸してくれる滋の妹の久子らに支えられながら、佳代は必死に娘たちを育てていく。そしてついに日本はアメリカを相手に戦争を始めるが・・・・
あの世でなんか父べえに会いたくないって!・・・なんとも悲しいお話です。次から次へと襲い来る不幸にもめげず、必死に娘たちを育てる母親。戦前の貧しい一家の話ですが、これは私たちが語り継いで行かなければならない「昭和」の風景なのかもしれません。山田洋次監督の映画は本当に「リアル」です。それは「男はつらいよ」「学校」、そして「たそがれ清兵衛」などの時代劇でもしっかり描かれている。しかし、山田監督がなぜこの作品を選んだのか??それは時代の変化が急速すぎて、昭和の良さがすごい勢いでなくなっていっているからではないでしょうか?私が行った映画館にはお年寄りが多く、みんなあの時代を思い出して泣いていました。主演は相変わらず美しい吉永小百合。山崎役は浅野忠信。娘役は志田未来、佐藤未来の「未来」コンビ。(おねえちゃんはミライ、妹はミク)泣きたい人には超おススメです。