フェイブルマンズ
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少年時代に両親に連れられて観た「地上最大のショー」に魅せられた少年サミーは父のバートからカメラをもらい、自ら映画作りにはまっていく。そんなある日、家族の休日を撮影、編集をしていた彼は母親のミッツィの奇妙な行動を発見する。それは父親の友人のベニーとの知られざる関係を示唆していた・・。
主人公の少年はまさにスピルバーグ自身。映画で観た列車と車の衝突シーンを自分のカメラで再現するシーンや同級生たちを役者にして様々な作品を作るシーンは微笑ましいばかり。しかし、カメラは見たくないシーンも捉えてしまう。そして彼がユダヤ人である事でのいじめはけっこう生々しい。どこまでが事実でどこからはフィクションなのか分かりませんが、この映画のエピソードはスピルバーグ自身が抱えたトラウマを映像にした作品かもしれません。そして少年時代から抱き続ける映画への情熱、そして葛藤も描かれる。映画の中でサミーの伯父さんが「映画作りは心を引き裂く」と言うセリフがあるのですが、そんなシーンも端々に描かれています。まさにスピルバーグのルーツをたどる2時間30分です。