犬神家の一族
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日本の製薬王にして犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が死んだ。彼の遺言をめぐって続々と集まってくる親族たち。佐兵衛には腹違いの娘の松子、竹子、梅子がおり、松子には佐清、竹子には佐武と小夜子、梅子には佐智という子供がいた。終戦を迎えたばかりの日本。遺言状の公開は佐清の復員を待って行われることになった。そして一族の前に姿を現した佐清は戦争で顔に怪我をしたため仮面をかぶっていた。遺言の内容は誰もが耳を疑う内容だった。そしてついに、世にも恐ろしい連続殺人事件が起こる。犬神家の弁護士の古館から助力を依頼された名探偵金田一耕介によって事件は少しずつ解き明かされていく・・・。
角川映画の記念すべき第一弾にして、市川崑監督の金田一耕介シリーズの第一弾。超豪華なキャスティングも然ることながら、沼からにょっきり出た2本足の映像、佐清のかぶる不気味な仮面が当時は印象的でした。もちろんミステリー作品としても超一級品。今まで多くの俳優が名探偵の金田一耕助を演じてきましたが、金田一耕介はやっぱり石坂浩二が一番良いと思うのですが・・。出演者は昭和のビッグスターが続々登場。犬神家の3姉妹は高峰三枝子、三条美紀、草笛光子、ヒロインは美しい島田陽子、事件のカギを握る男はあおい輝彦、犬神佐兵衛役は三國連太郎、古舘弁護士には小澤栄太郎、そして刑事役で当時の角川書店の社長、角川春樹も登場します。そして私が大好きなエンディングのシーン・・。みんなに見送られるのがイヤだからと言って、一本前の汽車に飛び乗る金田一耕介・・汽笛が響く・・那須駅の雑踏・・・そして「完」のマーク。最高です!この金田一シリーズは、ラストシーンがみんな良いんですよ・・・。