リリーのすべて
© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
1926年、デンマークのコペンハーゲン。風景画家として名を馳せたアイナー・ヴェイナーと肖像画を得意とする彼の妻ゲルダは結婚6年目だが仲睦ましいカップル。そんなふたりの仲が激変する。それは些細な事だった。ゲルダが手掛けていたバレエダンサーの肖像画のモデルをアイナーがした時、アイナーの中に眠っていた「女性」が目覚めたのだ。今まで感じた事のない恍惚感がアイナーを包んだ。そんなある日、アイナーのそんな事情を知らずにゲルダはアイナーに女装してパーティに行く事を勧める。「リリー」という名前で女装デビューをしたアイナーは、そこでヘンリクという魅力的な男に声を掛けられキスをされてしまう。
アイナーにさよならをしに行くの・・・今では当然のように語られるLGBT。しかし、90年も前に性転換手術を受けた男性がいたなんて驚きです。そしてこのドラマチックなストーリーには本当に驚かされた。私は彼の事を全く知らなかったので人物像もどういう人生を送ったのかも知らなかったのですが、本当にまさかの展開。そして衝撃的なラスト。エンドクレジットの前で「現在でもトランジェスターの代名詞」という一文が出るのですが、世界で初めて手術を行った彼はまさに創始者であるわけですよね。アイナーの心情はしっかりと画面から伝わりました。主演は「博士と彼女のセオリー」でオスカーを手にしたエデイ・レッドメイン。最初は「やっぱりどう見ても男だね・・」と思っていたのですが、話が進むにつれてどんどん女性化していく。最初のぎこちなさも計算だったのです。恐るべし。彼の妻ゲルダ役はアリシア・ヴィキャンデル。彼女はこの作品でアカデミー助演女優賞を獲得!素晴らしい演技を見せます。監督は「英国王のスピーチ」のトム・フーパー。