SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
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ニューヨーク・タイムズ紙の女性記者ミーガンとジョディは、大物映画プロデューサーのワインスタインが長年に渡り、彼の周りの女性たちに行っていた性的暴行について調査を始める。しかし、その事実はワインスタインによって何度ももみ消されていた。被害にあった女性のほとんどは彼との示談に応じていて、当時の事は彼女たちにとっては大きなトラウマになっていたのだ。そのためそれらの事実は見事なまでに隠蔽されていた。執拗に取材を続けるミーガンとジョディだったが、取材対象の女性たちからは拒否され、ワインスタイン側からのさまざまな妨害を受ける。ついにワインスタインの被害者の女性が、彼を訴えると名乗りを上げる・・・
今年、2023年は日本ではジャニーズ事務所で少年たちへの性被害が明らかになり大きなスキャンダルになりました。この映画は2017年10月5日にニューヨーク・タイムズが報道した大物ハリウッドプロデューサーの性的暴行のスキャンダル記事がベースになっています。ちょっと前までは日本でもこんな事は日常茶飯事で、嫌な思いをされた女性がたくさんいたと思います。しかし、この作品でミーガンとジョディが被害女性たちの証言をとりつけるために必要だったのが、実名で証言をしてもらうこと。映画の中では誰もが知っている有名女優の名前も続々と登場します。極めつけはこの映画に自ら出演しているアシュレイ・ジャドの存在。その辺りも映画の中でしっかりと描かれています。この報道がきっかけでワイスタインはLA裁判所から有罪判決を言い渡され、禁固16年の刑を受けました。(2020年、ワインスタインはNY州の裁判所によって、別の性的暴行事件の罪でさらに23年の禁固を言い渡されています)これを知って自分にも火の粉が飛んでくるのでは?と震えあがった輩も少なくなかったはず。そしてこれがきっかけとなり「#ME TOO」運動が起こります。「#ME TOO」運動とは性暴力とハラスメントの被害経験を「#MeToo」をつけてオンライン上に投稿するキャンペーンで、一大ムーブメントとなりました。この映画のふたりの女性記者の活躍、そしてニューヨーク・タイムズの英断がこの一大ムーブメントを引き起こしたのです!素晴らしいですね。主演はキャリー・マリガンとゾーイ・ソルダナのふたり。監督はドイツ出身の女性監督マリア・シュラーダー。