郷
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高校球児の岳は野球漬けの毎日。練習も人一倍こなしている。そして彼は1年生ながらレギュラーポジションを掴んだ。しかし、彼の夢は脆くも崩れ去る。先輩部員の陰湿ないじめで怪我をおってしまったのだ。怪我を隠して出場した試合で、彼はミスを連発。また、その事がコーチに知れて退部になってしまう。深く落ち込んだ彼は、幼いころからの親友の隆と再会し、かつて自分が少年だった時代に思いを馳せる。鹿児島の大自然の中で、親友とふたりで過ごした日々は、いつしか岳の心を静かに癒していく・・・。
全編鹿児島ロケのこの映画の大きな見どころにひとつは、映像におさめられたその雄大な景色。このシーンを見ながら、私も自分の少年時代と重ね合わせました。当時は何もかもが大きく見えた。自転車で走る道はどこまでも続いていて、疲れも知らずどんどん漕ぎ続けて、気が付いたらとんでもないところまでたどり着いていた事もあった。しかし、少年時代のそんな思い出は、最近の子供たちは体験できないでしょうね。何もかもがんじがらめの現代で、この映画は本来の自分のあるべき姿を見せてくれるかもしれません。監督の伊地知氏は「現代の若者の幸福度の低さ」を嘆く。もしかしたら、この映画の少年たちのような雄大な大自然に抱かれることが大事なのかもしれない。一途に好きになれる異性との出会いが必要なのかもしれない。しかし、それらを声にして訴えかけるのではなく、圧倒的な迫力の映像で語りかけてきます。まさに映像を「浴びる」体験をぜひ!主演の岳役は泉澤祐希、先輩部員役で古矢航之介、そして岳の支えとなる教師役に、この作品のプロデューサーでもある小川夏果。監督はまだ20代の伊地知拓郎。彼の次回作が楽しみです。因みに撮影には世界的にも有名な映画器材製造会社「ARRI」のカメラが使用されています!