この世界の片隅に
©こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
広島市に住む浦野すずは絵を描くことが得意な少女。昭和19年、18歳の時に彼女は呉市に住む北条周作の元に嫁いだ。戦争は日に日に激しくなり、すずの住む呉市でもあらゆる物が不足していく。そんな時、嫁ぎ先の娘、すずの小姑の径子が夫に先立たれ娘の晴美を連れて実家に帰って来る。呉は日本海軍の本拠地であり、軍艦も多く擁しているため何度も空襲があり、すずは晴美と外出中に爆撃に遭遇する。そこですずは晴美をかばい、右手を失くしてしまう・・
とってもホンワカしているすずからは戦争の悲惨さはなかなか伝わってこないのですが、確実に彼女の周りで悲劇は起きていた。そんな中でも必死に生きていく彼女のけなげな姿が胸を打ちます。戦争は次々と彼女の大事な人たちを奪っていく。そして運命の8月5日・・・。とにかく号泣でした。映画の最初は話がぶつぶつ切れていて、すずのキャラクターにも付いていけず戸惑っていたのですが、途中からはどっぷり映画の世界に浸り、涙・涙・・・。こんな小さな一市民の目から見た戦争の悲劇を、語り継いでいかなければいけないし、忘れてはいけない。だからこそ、みんなに見て欲しい映画です。すずの声は(能年玲奈改め)のん。彼女のホンワカした感じがすずにピッタリで彼女はまた、はまり役に出会いましたね。そしてこの映画で忘れてはいけないのがコトリンゴの音楽と主題歌。「悲しくてやりきれない」は歌だけで泣けます。監督は「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直。