ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-
© Kingyo Films Pte. Ltd.
「ベトちゃん、ドクちゃん」-。1981年2月に、下半身がつながった結合双生児としてベトナムで生まれた双子の兄弟です。原因はベトナム戦争中に米国が森林を破壊するために大量に使用した「枯れ葉剤」の影響だと言われています。1988年、日赤病院のバックアップもあり、ふたりの分離手術は成功しましたが、兄のベトさんは術後に重い脳障害を抱え、惜しくも2007に死去しました。弟のドクさんは職業学校を卒業して就職。06年にトゥエンさんと結婚。双子が誕生した。分離手術やその後の支援に関わった日本への感謝の意味を込めて、長男は「フジ(フーシー)」、長女は「サクラ(ベトナム語はアンダオ)」と名付けられた。この作品はそんなドクさんの、現在の日常を追い、彼が世界に向けて「平和」を訴えかけるドキュメンタリー映画です。
みなさんは「ベトちゃん、ドクちゃん」をご存知でしょうか?40年ほど前に日本でも話題になった結合双生児の兄弟で、テレビ番組でも多く取り上げられました。そして分離手術が行われたところまでは、ご存知の方も多いはず。しかし、それ以降、彼らはメディアで取り上げられることもなくなっていました。かく言う私も、ドクさんが結婚したことも、お子さんがいた事もこの映画に出会うまでは知りませんでした。映画の冒頭でドクさんは、「自分は、あとどれくらい生きられるかは分からない。」と切り出す。足は亡き兄と分かち合ったため1本、そして腹部には治療のためのチューブが通ったまま。ところが彼は家族の前では本当に優しい、世界中のどこにでもいる夫であり父親です。しかし、この映画でドクさんが一番伝えたい事は「平和」について。戦争の犠牲者である彼は、いま世界中で起こっている戦争にひどく心を痛めているのです。ぜひ、この作品を観てドクさんと一緒に「平和について」考えてみてはいかがでしょうか? 「ドクちゃん-フジとサクラにつなぐ愛-」は10月1日より、上映会での使用開始となります。