アメリカン・スナイパー
© 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
クリス・カイルは農場で生まれた。カウボーイになったクリスだったが煮え切らない毎日。そんな時、彼は「SEAL」に入隊を決めた。30歳になっていたクリスだったが厳しい訓練に耐え兵学校を卒業した。2001年9月11日、クリスは妻のタヤと一緒にテレビでNY同時多発テロを見た。数ヵ月後、クリスは戦地に送られた。彼の射撃の腕は軍の中でもピカイチだった。クリスは後方の射撃手として、ある時は特攻隊の先頭を切って戦い続けた。すべて国家のため、そして家族のためと自分に言い聞かせながら・・
4回の戦地への派遣で延べ160人以上を殺害したという伝説のスナイパーの自伝から作成された映画。この映画が語っているのは戦争の英雄の話ではない。戦争は常に「悪」なのです。主人公のクリスは敵軍とはいえ160もの尊い命を葬りさった。その罪悪感と戦わせていたのが、彼が何度も口にした「国家のため、家族のため、そして仲間のため」というキーワード。これらの言葉は彼にとっての呪文であって人を殺した罪を浄化させる物だったのかもしれません。彼が「英雄」と呼ばれれば呼ばれるほど、彼の罪悪感は積み重なっていったのでしょうね。この映画は戦争に携わった人間のみが分かるその「罪悪感」、そして「恐怖」を疑似体験できる作品。戦争に行った事がない私にも、彼の気持ちはストレートに伝わり、改めて反戦の言葉が私の頭に浮かびました。主演はブラッドリー・クーパー。彼はこの役のために徹底的に肉体改造をしていました。監督は名匠クリント・イーストウッド。