かもめ食堂
© かもめ商会 PHOTO 高橋ヨーコ
ヘルシンキの町に『かもめ食堂』という小さな店がオープンした。店主は日本人のサチエ。メインメニューは日本人のソウルフードの「おにぎり」。しかし、来る日も来る日もお客はやってこない。そんな「かもめ食堂」の最初のゲストは日本かぶれの青年のトンミ。彼から「ガッチャマン」の主題歌の歌詞を聞かれるが、途中までしか思い浮かばない。その日の夕方、図書館のカフェで日本人のミドリを発見したサチエは、思い切ってガッチャマンの歌詞を彼女に尋ねた。すると彼女は全ての歌詞をすらすらと書いて見せた。やがて、ミドリも『かもめ食堂』を手伝うことになった。いつまでたっても客が来ない『かもめ食堂』。しかし、街の人たちは密かにこの店を気にかけていた・・・。
ノルウェイには森があります・・・・私は小林聡美の大ファン。古くは『転校生』の頃から大好きです。そんな彼女が主演の映画ということで、私はとても楽しみにしていました。そして映画がどうだったかというと、まさに小林聡美のために作られたのでは?と思えるほど、彼女の良さが引き出された作品でした。彼女の自然体で飄々とした雰囲気が、この映画のサチエにピッタリだったのです。そして片桐はいりともたいまさこが不思議な魅力のエッセンスを振りまき、ヘルシンキという異国の中での「日本人」が見事に描かれていました。この映画に色恋はありません。あるのは、小さな夢を現実にしようと頑張る女性たちの、小さな友情物語なのです。そして彼女たちの不思議な魅力に吸い寄せられるフィンランドの人たちに物語です。注目はこの映画に登場する美味しそうな料理の数々・・。お腹がグーグー鳴ってしまいました(笑)。原作は群よう子。