永遠の僕たち
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孤独な青年イーノックは他人の葬儀に、遺族のふりをして参加している。イーノックは両親を自動車事故で失って以来、生きること自体に関心がなくなり、その反動で他人の葬儀を見て回っていたのだ。両親と同じ車に乗っていたイーノックは、その時に臨死体験をした。その時以来、彼はヒロシという特攻で死んだ日本の青年の幽霊が見えるようになった。イーノックにとってヒロシは唯一、何でも話せる友人になった。そんなある日、イーノックはアナベルという美しい少女と出会う。彼女は子供のガン病棟でボランティアをしているという。それ以来、ふたりは一緒の時間を過ごすようになった。しかし、アナベルは脳腫瘍を患っていた。彼女はガン病棟でボランティアをしていたのではなく、彼女自身が患者だったのだ・・・
「今日の調子は?」「いつもと同じ。死が進行中」・・・ガス・ヴァン・サント監督の映画という情報以外は何も持たずに観に行きました。これがまた、悲しくも美しいラブストーリーで映画が終わった後は、しばらく余韻を引きずってしまいました。真っ白だった私の心にこの映画は色々な感情を残しました。両親の死、特攻で死んだ幽霊、そして死期が迫った少女と、主人公の周りには“死”がつきまとっている。しかし、短い人生の中で人は何をしなければいけないのか?そして愛する人のために精一杯尽くす事の嬉しさをイーノックは学んでいきます。ラストシーンはセリフがなくても彼の心情が画面から伝わります。とても好きなシーンです。イーノックを演じるハンサムな青年は名優デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパー。これが本格的な映画初出演とは思えない存在感は父親譲りか??アマンダ役はミア・ワシコウスカ。彼女の演技が泣かせるんです・・・。ヒロシ役は日本の加瀬亮。最初はなぜ日本の特攻隊員?という違和感があったのですが、これがまた、良いキャラクターなのです。辛いテーマではあるのですが、映画を観終えた後、なんとも清々しい気分になれました。