マニア“カマタ”の映画行脚!vol.6
雨ばかり続いてダークサイドに転がりそうになりますね。
そんなときはこれ。
「ナイトクローラー」。
ニュース映像専門のパパラッチを描いた
ピカレスクサスペンスです。
仕事にあぶれたルーは、通り掛かった事故現場で、
テレビ局に悲惨な映像を売るカメラマンの存在を知る。通称ナイトクローラー。
魅了された彼はすぐに機材を手に入れ事故現場を渡くように…。
そして不幸にもそれは彼の天職だった。
流れるような夜のカメラ、テンポよく進むストーリー展開、
要所要所で盛り込まれるショッキングシーン。
どれをとってみても娯楽性は十分なのですが
特筆すべきはジェイクギレンホール演じる主人公のキャラクター。
うわ最低の男、意外に頭いいんだ…、えいいやつかも、うわやっぱり最低
の繰り返しを見せていくことでキャラクターを浸透させつつ
ゆっくり恐怖と緊張感まで抱かせます。
キャラクター中心の映画はたくさんあるものの、
ここまでジワジワと観客の気持ちを侵食する主人公は
なかなかいない。
この芝居をしてアカデミー賞にノミネートされないなんての
ギレンホールはキャリアのベストワンの出来栄え。
監督は名匠トニーギルロイの弟で
「ボーンレガシー」などの脚本をへて本作で監督デビューした
ダンギルロイ。
リドリー&トニースコット兄弟のように今後のハリウッド映画を
牽引してほしい。ダンギルロイ、この名前だけは絶対わすれちゃだめですね。
「ナイトクローラー」本物のクズを描いた傑作です。